病院案内


認知症・高齢者対応病棟リーフレットはこちら








新南館で運用を開始した認知症・高齢者対応病棟について、病棟スタッフのメッセージとともに、ご紹介いたします。



陽和病院は、昭和33年に開設された精神科病院で、60年にわたって、この練馬区大泉町の地で精神科の医療を提供しています。
私は、迅速な医療対応こそが精神科病院としての基本であり、地域からの需要に全力でお応えする病院でありたいと考えております。
近年は、高齢化の進展により、当院でも認知機能に支障を来たして来院される方々が増えています。このような地域のニーズにお応えしたいとの思いから、主に認知症の患者様を対象に入院治療を行ってきた「東3病棟」をさらに発展させ、 「南1病棟」としてリニューアルいたしました。高齢者の方の認知症や老人性うつなどの治療を短期集中的に行う認知症・高齢者対応病棟です。
新南館の1階に位置するこの病棟では、柔らかな光が差し込む明るい空間で、中庭の植栽なども眺めていただきながら、ゆったりとお過ごしいただくことができます。 このような環境で治療にご専念いただくことで、患者様の不安感などの軽減に良い影響があるものと期待しています。
そして、当病棟の特徴として、介護職員等を重点的に配置するなど、高齢の患者様に対応するための手厚いスタッフ体制を整えていること、また、医師、看護師、相談員、作業療法士、介護職員など多職種が専門性を活かして連携し、 多様な角度から患者様とそのご家族をサポートしていく点が挙げられます。これらにより、さらに密度の濃い入院治療を提供できるものと考えています。
また当院は、地域包括支援センターや訪問看護ステーション、在宅強化型の介護老人保健施設等を併設することで、入院期間の前後を通じて患者様をフォローし、サポートできる体制を整えています。加えて、 ご退院後に通われる医療機関や、入所・通所施設ともきめ細やかに連携できることが当院の強みであると自負しております。
スタッフ間の連携、関係機関との連携、地域の皆様との連携を大切にしながら、ますます認知症などの高齢者の方々とそのご家族のお役に立てるよう、温もりのある医療サービスを提供して参ります。




認知症・高齢者対応病棟の医師で、精神保健指定医の坂本医師に話を聞きました。

―他科でも認知症の治療が行われていますが、精神科で治療をお受けいただくメリットはどんなものですか?
確かに、認知症については精神科や神経内科、脳神経外科、内科などで治療が行われています。それぞれに特徴はあると思いますが、精神科で治療を行う利点としては、幻覚や妄想、焦燥感などの周辺症状が強い場合に、 他科では扱いにくい抗精神病薬を用いたアプローチがしやすいことが挙げられるでしょうか。
また、意欲の低下や気分の落ち込みなど、認知症とよく似た症状が出やすい病気として老人性うつがありますが、治療法は異なるため、しっかりとした診断が必要になります。 認知症の分野も、うつ病の分野も、私たち精神科医は専門的な知識を有していますので、そういった点でもお役に立てると思います。

―ご入院された場合の治療はどのようなものですか?

その方のご様子をじっくり見ることができるので、お薬の調整や副作用のコントロールもしやすい環境となります。適切な薬を選択し調整することで、比較的速やかに症状が落ち着くと思います。また、回想法などを用いた入院精神療法で、情動の活性化を図っていきます。高齢の方は、比較的に昔のことはよく覚えておいでなので、昔を回想して思い出などを話す・聞くというのが回想法です。コミュニケーションを取ることで記憶を維持し、症状の進行を遅らせることができると言われています。
加えて、南1病棟ではユマニチュードやバリデーションなどのエッセンスを取り入れた患者様への接し方について、職場内で研修を行っています。どちらもその方の尊厳を大切にする関わり方と言えると思いますが、接し方が変わるだけでも周辺症状が緩和されることは多いです。

―治療に当たって意識していることは?
私個人としては、その方の人となりを尊重して診療に当たることを心掛けています。病気のために暴言などが出ているわけで、症状が緩和されれば、本来のその人に近づけると思うのです。その方の歩んできた歴史や想いなどにしっかりと向き合うことが、認知症や老人性うつなどの治療に限らず、精神科医療の基本姿勢だと考えています。
また、当病棟では、病棟の医師全員が南1病棟の全ての患者様の担当医師だという心持ちで診療に当たっています。もちろん主治医はそれぞれの患者様に一人ずついるのですが、医師同士でそれぞれの患者様の治療について、積極的に意見を交換し合っています。最善の治療を提供できるよう、病棟医師全員で日々模索しています。




日々、入院患者様の看護を行う看護師で、南1病棟の瀧師長に話を聞きました。

―高齢期の患者様の看護で心掛けていることは?

認知症・高齢者対応病棟の患者様の多くは、ご自身で自分の状況を的確に説明することが困難です。ですから、私たち看護職員は、患者様からの訴えを待つのではなく、患者様の日々の過ごし方やバイタルサインなどを、積極的かつ、きめ細やかに確認し、 その病状や困りごとなどをこちらから汲み取っていく必要があります。

―患者様に接していて、どんなときにやりがいを感じますか?
高齢期の患者様、特に認知症の方の場合、入院して最初の頃は、夜間お眠りになれなかったり、大声を上げたり、場合によっては暴れたりする方もいらっしゃいます。ですが、入院いただいて環境を整え、じっくりと治療やケアを行うにつれ、 会話ができるようになったり、患者様に笑顔が出るようになったりするときは、本当にうれしいですね。

―東3病棟から新たに南1病棟に移設されましたが?
新館に移動したことで、これまでの54床から60床に増床し、1床室の個室が20床に増えました。また、病室の全てのトイレが車いす対応の仕様となっていますので、ADL(日常生活動作)が低下した高齢者の方でも、より快適にお過ごしになれる環境が整ったと思います。

―ソフト面での変化は?
設備面では一新されましたが、前病棟から培ってきた一人ひとりの患者様に向き合う看護の基本姿勢は、これからも変わることなく継承していきます。
当病棟には、そのご病状から、同じことを繰り返しおっしゃる患者様もいらっしゃいます。聞く側からすれば、“またおっしゃっているな”ということではあるのですが、患者様は今、その瞬間の不安感からおっしゃっているわけです。このような場面で、 当病棟の看護スタッフは、病気に対する知識・理解を土台にしたプロ意識を持って、患者様に真摯に向き合うよう、常日頃から努めています。このような温かい看護が当病棟のソフト面の特徴と言えるのではないでしょうか。




患者様やご家族からの入院相談や、退院支援などの業務に携わる、社会療法部相談室の課長で精神保健福祉士の塚本相談員に話を聞きました。

―高齢期の患者様の相談支援で心掛けていることは?
たいていの場合、ご家族は、いっぱいいっぱいの状態になるまで介護を一所懸命にやってからご相談に来られることが多いです。私たちは、ご家族のお話をじっくり聞くとともに、介護保険制度などの情報提供、施設の選択のお手伝いなどをすることで、 「相談して良かった」というご家族の安心につながるように心掛けて、支援しています。

―南1病棟の入院治療の特徴は?
高齢期の患者様、特に認知症などをお持ちの場合、点滴を外してしまうことの予防のために、拘束や行動制限を行うことがあるのですが、当院では極力、このような行動制限をしない方針で治療に当たっています。 自身の介護の経験からも言えるのですが、家族が行動制限をされている様子を見るのは辛いものです。また、行動を制限されるからこそ、怒りっぽくなったりするのは当然のことで、当院は、極力、行動制限や抑制を行わずに、 できるだけ自由にお過ごしいただく環境を整えています。これが、患者様の治療上も良い効果をもたらすだろうと考えるからです。
夜間に睡眠をしっかりと取っていただくこと、薬剤の調整を行うこと、昼間にじっくり作業療法などの活動を行っていただくことなどで、症状の改善につなげていくのが当病棟の特徴です。

―ご家族などに伝えたいことがあれば教えてください。
先述のとおり、ご家族は自分なりの方法で頑張って、疲れ過ぎてからご相談にお見えになることが多いのですが、できれば、そうなる前にご相談いただきたいのです。精一杯頑張り過ぎた後にお見えになった場合、患者様の病状も悪くなっていることが多く、改善に時間を要します。 南1病棟は3か月の入院期間を目安に、ご家族の休息目的の入院もお受けします。ご家族が休息できれば、「また介護を頑張ろう」という気持ちも起きてくるものです。少しでも長く在宅でお過ごしいただくために、“最後の最後に病院に相談する”というよりは、 早めに相談して、当院をうまく利用していただければありがたいと思います。




さまざまな作業活動などを通じて、患者様の身体と心のリハビリテーションを行う作業療法室の山下作業療法士に話を聞きました。

―病棟で行われている作業療法のプログラムとは?
一週間の中で定期的に行っているプログラムといえば、お散歩、体操、コーラス、回想法、机上作業などがあります。 また病棟で行うプログラムの他に、病院全体の作業療法室としてのプログラムもご用意しており、南1病棟から料理のプログラムなどにご参加いただいています。
集団で行うプログラムの他に、その患者様がやりたいことや、周囲の方がその方に期待することなど、個別にプログラムを提供することもあります。可能な限りその方にあったプログラムをオーダーメイド感覚で提供するようにしています。

―作業療法の狙いはどこにあるのでしょうか?
私は、作業療法にご参加いただく時間は、その患者様のやりたいことや、その方らしさを引き出す機会だと捉えています。それを引き出すために、ご本人やご家族の方ともじっくりお話をするようにしています。
在宅生活を長く続けるためには、ご本人のやりたいことに加えて、先述のとおり、周囲の方がその方に期待することについても、プログラムに取り入れていく必要があります。ニーズが高いのは、トイレをご自身で行けるようになることや、料理ができることなどでしょうか。 ご本人がやりたいこととのバランスも大切にしながら、作業療法を計画して、在宅復帰のお手伝いをしています。

―患者様に接していて、どんなときにやりがいを感じますか?

じっくりとケアを行っていくにつれ、繰り返し同じ話をしていた患者様から、別の新しい話を聞けたときや、患者様から笑顔が出るようになったときなどですね。ご家族が「まだこんなに笑ってくれるんだね」とおっしゃいます。 症状等の影に隠れてしまっていたポジティブな面を引き出せたときは、本当にうれしい瞬間です。

―患者様に接する際に意識していることは?

よく患者さまから「あなたと座ってゆっくり話せるのがうれしい」ということを言われます。お互いに座ってお話をするような、人らしい関わりを持つのが難しい環境だからでしょうか。 私は、作業療法を通じて、できるだけ普通に人間らしい関わりをするように心掛けています。人間らしさを大切にする関わりこそが、その人らしさを引き出す近道だと思います。




竣 工:平成30年2月26日
所 在:陽和病院 南館1階
病床数:精神科急性期治療病棟入院料1 60床

うち、個室20室(20床)、4床室9室(36床)、その他1床室4室(4床)

室料(差額ベッド料金):

個室  3,000円/日(税別)
4床室 1,500円/日(税別)




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